ケアマネの仕事を辞めたいと思ったらどうすればいい?

2000年に始まった介護保険制度において、介護支援専門員、つまりケアマネージャーは大切な役割を果たす存在です。

ケアマネ資格を所有している人から言わせると

「こんなに多岐にわたって知識も経験も積まなければならない制度設計になっているのに、国家資格じゃないのはなぜ!?」

というほどのようです。

一生懸命勉強してケアマネの実務研修を受け、介護保険制度の中で、どうやって介護高齢者の生活を支えるか、

時に挫折しながらも試行錯誤を繰り返し成長しているケアマネですが、だからこそ、辞めたくなる人もいるようです。

この記事では、ケアマネの仕事を辞めたいと思った場合にどうすれば良いかを考えます。

ケアマネを辞めたい人に多い理由とは?

まず「ケアマネの仕事を辞めたい」と感じる理由で、多いものを取り上げてみましょう。

辞めたい理由①:職員の協力が仰げなくて孤立してしまうから辞めたい

特に、介護保険施設のケアマネに、この理由が多いという傾向があります。

どういうことかというと、ケアマネとは本来、介護を実際に行う人ではなく、介護が必要な方にどんな「介護」が提供されれば、その人がよりその人らしく生活できるかを「支援」する「専門員」です。

つまり、提供される介護サービスをプロデュースする立場なのです。

しかし介護保険施設のケアマネ、通称「施設ケアマネ」は、介護職員を兼務している事業所が結構あります。

そして他の現場職員も「ケアマネは介護をすることが当たり前」と思っているのです。

ですから、施設サービス計画(ケアプラン)の中で、通常の日課の中にちょっと違うプログラムを取り入れることを立案すると「現場の忙しさを知っているのに、なぜ!?」という抵抗にあいます。

また、今までと違った新しいケア内容を提案すると、看護職員や厨房職員などから理解してもらえず「一人でやってみれば?」的な空気が流れる施設もあります。

このように、多職種の協力が仰げなくて孤立していってしまうと、まるで自分が悪いことをしているかのような職場雰囲気となるため辞めたくなるのです。

辞めたい理由②:“なんでも屋”になってしまっていて辞めたい

今度は、在宅介護者を担当する居宅介護支援事業所のケアマネに多い理由です。

介護保険制度が始まり15年以上経過しましたが、この間、居宅のケアマネの存在はかなり浸透しました。

病気やケガなど、何らかの理由で介護が必要になった場合、市町村行政に行くとケアマネの存在を教えてくれます。

また地域の民生委員に相談しても「ケアマネに相談してみたら?」と教えてくれるようになりました。

それ自体はありがたいことです。

しかし、一度相談にのり介護支援を始めるようになると、何かあれば「とりあえずケアマネさんに…」とご家族が連絡してくるようになります。

例えば「転んで脚が痛いと言っているけれど、どうしたらいい?」。

確かに、高齢者は骨がもろく骨折しやすいので、激しく転ばなくても骨折してしまうリスクもあります。

状況によっては受診した方が良いかもしれませんが、交通手段がない場合には困ってしまいます。

その支援を行うことは、業務内といえます。

しかし「朝、起きたらいつもより脚が痛くて。どうしたらいい?」という相談になると、状況がよく解りませんし骨折等のリスクも少なそうです。

一般的に考えれば、痛みが強いなら病院を受診する…と、誰かに相談しなくても今までやってきているはず。

しかし、高齢になってくればくるほど、思考力や判断能力も落ちます。

子どもたちも遠方にいてすぐに相談できない場合には、近くにいる都合よい相手に相談してくるのです。

そのうちに「子どものところへ送りたいものがあるんだけど、どうしたらいい?」という相談まで。

ケアマネは、なんでも屋ではありません。

辞めたい理由③:給料が安いから辞めたい

介護保険制度の中ではこれだけ重要視されている職種なのに、賃金等の待遇の面からは恵まれていない事業所が多くあります。

施設ケアマネのように介護職員も兼務していて、夜勤業務も行っているなら、夜勤手当などがつく場合もありますが、夜勤シフトに入りながらケアマネ業務もこなさなければならないので大変です。

また相談支援業務というのは、担当する利用者やご家族から感謝されることはあっても、目に見えて業績を上げることにはつながりにくいものです。

しかも介護保険制度内の事業所であれば、収入となる介護報酬は国が基準を定めていますので、頑張ったとしてもすごく収益をあげられる訳ではありません。

そのため、身体と神経をすり減らして業務を行っても自分に還ってくるものは少ないため、辞めたくなるのです。

ケアマネを辞めた後はどうする?

このようにケアマネを辞めたくなった後はどうすることができるでしょうか。望ましい転職先などがあるのでしょうか。

ケアマネから他の職種にチャレンジしてみる

①介護高齢者だけではなく、色々な人の相談援助業務が行いたくなって辞める場合

ケアマネの仕事は対人援助、しかも実際の介護というより相談援助です。

同じ分野で、社会福祉士が行う相談援助業務があります。

しかも社会福祉士の場合、介護が必要な高齢者だけではなく、地域に暮らす一人暮らしで身よりがいない高齢者の支援とか、障がい者の支援も行います。

また高齢者虐待が疑われるケースに介入して、人権を擁護する活動などにも取り組みます。

社会福祉士の仕事は非常に多岐にわたるものであり、相談支援業務の最も充実した、しかも高度な知識を要する分野なのです。

今は、社会福祉士も通信教育の後の試験合格で取得することができます。

②現場で働くスタッフとして戻りたくて辞めたくなった場合

特に、居宅介護支援事業所のケアマネであれば、居宅訪問や事業所訪問などの業務もありますが、事業所のいる時には基本的にデスクワークです。

中には、人と関わることは大好きだけど、パソコンに向かうのはどうしても苦手…というケアマネもいます。

この場合、現場のスタッフとして濃密に人と関わる仕事に戻ることができます。

介護職員としてはもちろんですが、ケアマネの資格をとったバックボーンが(准)看護師や歯科衛生士であれば、その分野に戻ることもできるでしょう。

③自分の考える相談援助を行いたくて辞めたくなった場合

ケアマネの資格をもっているのであれば、色々な介護事業所で管理者として働くことができます。

管理者であれば、自分の思ったとおりの相談援助業務が行えるものです。

どの事業所であっても、スタッフの一人として所属するのであれば、やはりそこの運営方針に従わなければなりません。

自分に合うのなら良いのですが、合わない場合にはストレスとなるでしょう。

④少しでも待遇をよくしたくて辞めたくなった場合

NPO法人や小さい社会福祉法人になると、どうしても給与など待遇面で不満を感じるかもしれません。

この場合、数百人規模の職員を抱える大規模な法人に移るとか、ケアマネ資格でもソーシャルワーカーとして働かせてもらえる病院などに転職することができます。

ただ注意したいのは、賃金を多くもらえるということは事業所側から求められる職務も多くなる可能性がある、ということです。

自分の能力を超えてしまう仕事は、そのうちに限界が訪れます。

バランスをみて、転職先を考えましょう。

ケアマネとして他の職場で再スタートしてみる

ケアマネの仕事は確かに大変ですが、やりがいのある仕事です。

なので、可能であれば同じケアマネの仕事を、違う職場、違う事業所に移って再スタートしてみるのも良い方法です。

特に居宅介護支援事業所のケアマネの場合、別の事業所のケアマネとして転職するなら、培った知識や経験、そして関係機関である医療機関や他の事業所との関係などを活かすことができます。

施設ケアマネの場合、介護職員を兼務していて大変で辞めたいのであれば、施設ケアマネに専念できる事業所に移ることも良いでしょう。

ただそうなると、おそらく入所者数は100人を超える大規模の事業所となるため、夜勤など身体的な負担は減るかもしれませんが、多職種とのコミュニケーションなど精神的な負担は増えるかもしれません。

ケアマネを辞める前に知っておきたいこと

では“ケアマネを辞めよう!”と決断する前に、辞める時にはどのようなことに注意を払えばよいのでしょうか。

いまの職場を辞めるまでのスケジュール

居宅介護支援事業所のケアマネであれば、自分が担当しているケースの引継ぎが必要です。

仮に35件担当しているのであれば、それを全部引き継ぐ必要があります。

例え同じ病気のケースがあったとしても、一人ひとり身体的な状況は違いますし、家族や生活スタイルなど取り巻く環境には全て違いがあります。

介護サービスを使うのですから、経済状況も引き継がなければなりません。

自分が辞めた後の担当者が困らないように、書類にして引き継ぐことも重要です。

引継ぎが終わらなければ、まだ自分の担当です。

担当ケースの利用者と、月に1回は面談しなければなりませんので、辞めるまで自分の業務を行いながら引継ぎをしていかなければならないのです。

引継ぎに3ヶ月ぐらいはかかることもあります。

そのため、辞める時期が分かった段階で、出来るだけ早く事業所に申し出る必要があります。

「就業規則には30日前と書いてあったので…」と自分の権利を主張したとしても、引継ぎが終わらなければ最終的には利用者や家族に迷惑がかかります。

特に、同じ地域で他の事業所のケアマネとして転職する可能性があるのなら、今後も何かしら前職場の人と顔を会わせることもありますので、後を濁さないように注意しましょう。

次の職場の候補は早めに探して始めておく

生活するには、お金が必要です。

退職し、次の仕事が見つからなければ収入がありません。

失業手当があるとしても、退職前の職場でもらっていたほどは支給されないのです。

そのため、次の職場の候補は早めに探しておきましょう。

一番良いのは、転職先を決めてから退職することです。

しかしその場合には、転職する時期について前項の注意を払いましょう。

まとめ

いかがでしたか?

経験や勉強を重ねてケアマネとなり、事業所で頑張っていたとしても、色々な理由で辞めたくなることがあるものです。

特に、相談援助の仕事はストレスが溜まります。

自分が精神的に参ってしまう前に、辞めることも重要な決断です。

ケアマネの仕事を辞めたいと思った場合、この記事にあるようなことを注意して、少しでも自分にとって、また周りにとっても良い退職・転職ができるとよいですね。

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